巻き爪とは

巻き爪とは

巻き爪とは、爪の先端が内側に巻き込まれた状態になることで、主に足の親指の爪に起こる疾患です。巻き爪の症状が進むと、爪の両端が指の肉に食い込み、炎症や膿を起こして激しい痛みを伴います。

その結果、靴が履けなくなったり、爪が切れなくなったりする人もいます。さらに痛みが激しくなると、正しい姿勢で歩くことができなくなり、肩こりや腰痛といった全身の不調につながるケースもあります。巻き爪は、できるだけ早い段階で治療することをおすすめします。

巻き爪の原因

巻き爪には、大きく分けて、次の4つの原因があります。

①靴などによる圧迫、強打など

足の形に合わない靴や、先端が細く指が圧迫され続けるような靴を履いていると、巻き爪を起こしやすくなります。

また、スポーツでつま先をぶつけたり、重いものをつま先に落として強い衝撃を与えたりすると、指に過剰な力が加わって巻き爪になることがあります。

②指への力不足

足指に力を入れずに歩く人や、寝たきりの人なども、巻き爪になることがあります。

爪は本来、内側に丸まっていく性質をもっており、歩行などで指先に力が加わることで、平らな状態をキープしています。ところがその力が指先に加わらないと、丸くなろうとする爪の力の方が勝ってしまい、巻き爪を引き起こすのです。

③間違った爪切り

爪を短く切り過ぎるなど、間違った爪の切り方をすると、巻き爪になることがあります。

爪の周りの肉が持ち上がり爪を圧迫し湾曲してしまいます。足指の爪は、爪先とほぼ同じになる長さになる程度が、適切な切り方です。

④体質

体質的に爪が薄く、柔らかい人は、巻き爪になる可能性があります。爪が靴の圧迫に耐えられずに、丸まってしまうからです。

靴の選び方や、歩き方にも注意し、爪をいたわる必要があります。

当クリニックの
巻き爪治療について

当クリニックでは、専用のワイヤーを使って爪を矯正する「ワイヤー矯正治療」をはじめ、軽症の方には「テーピング」や「コットンパッキング」などの治療を行っています。

中等度以上の治療

ワイヤー矯正治療(VHO)

ワイヤー矯正治療(VHO)

中等度以上の症状がある患者様には、ワイヤー矯正治療を行います。(ここではVHO治療をご紹介しますが、それ以外の治療方法もあります。)

患者様の爪の形に合わせて専用のワイヤーを作製し、それを爪の左右に引っかけて固定した後、フックで巻き上げます。余分なワイヤーをカットし、最後に人工爪でカバーして終了です。一見痛そうに見えますが、爪にひっかける治療なので出血は基本的にありません。

ワイヤー矯正治療(VHO)の流れ

  • 事前に作製したワイヤー

    1

    患部の爪の形状と横幅に合わせて、事前に作製したワイヤーを爪の縁に沿って差し込みます。

  • ワイヤーのフックの部分を爪に引っかけます

    2

    奥まで挿入したら、回転させてワイヤーのフックの部分を爪に引っかけます。このときはチクッとする程度で、それ以上の痛みはなく、麻酔も必要ありません。

  • ワイヤーを固定します

    3

    引っかけたワイヤー同士をフックで巻き上げて固定し、余分なワイヤーをカットして、切った端を接着剤で固定します。

  • 人工爪でカバー

    4

    靴や靴下が傷つかないよう、その上から人工爪でカバーします。爪が伸びてきたら、ワイヤーを付け替えます。

軽度の治療

爪切りを含め、日常生活の注意をご説明します。

巻き爪治療のデメリット

巻き爪に関する、
よくある質問

Q 巻き爪の矯正治療とは、
どのような治療法ですか?
A
かつては巻き爪の治療を行うのに、激しい外科的な手術が必要でしたが、現在は矯正治療で治すことが可能となっています。爪に矯正具となる専用のワイヤーを装着し、ワイヤーの張力で自然に爪を広げる方法です。ほとんど痛みはありませんので、ご安心ください。
Q どれくらいの期間で
治りますか?
A
ワイヤーを装着後、8カ月から1年程度かけて爪をまっすぐにしていきます。爪の巻き方や厚さ、硬さ、湾曲の程度、生活習慣などの違いによって、治療期間は異なります。
爪が伸びて、ワイヤーが爪の上部までいったら、ワイヤーを付け直して位置を調整します。それ以外は、特に異常がなければ通院の必要はありません。
Q 治療中、
気をつけなければならない
ことはありますか?
A
巻き爪の治療中に、特に行動制限はありません。治療当日から入浴できますし、飲酒やスポーツも大丈夫です。
ただし、ひとつだけ注意すべきなのは、つま先に圧力をかけないことです。足先に負荷がかかるハイヒールや、先のとがった靴、足を靴に固定できないサンダルやミュールなどは避けましょう。スポーツをするときは、つま先に大きな衝撃を与えないよう、注意が必要です。それさえ気をつけていれば、普段どおりに生活することができます。
Q 巻き爪の原因は
何でしょうか?
A
巻き爪の原因は、まだはっきりとは解明されていません。扁平足や外反母趾といった、足の形に関係しているとも言われています。足先を強打したり、深爪をしたりすることも発症の原因になり得ますし、体質によるものもあると思われます。
Q 予防法はありますか?
A
まずは、足長・足幅ともに、自分の足に合わない靴を履かないことです。巻き爪の人は大きめのサイズの靴を選びがちですが、実はこれもNGです。靴の中に余裕があり過ぎると、足が固定されずに動きやすくなるため、足や爪の変形を招き、かえって症状を悪化させることになります。
靴選びには注意し、爪の切り方に気を付け、正しい歩き方を心がけることが大切です。
Q 治療費は
どれくらいかかりますか?
A
ワイヤー矯正治療は保険が適用されないため、施設によって費用はまちまちですが、当クリニックでは初回の治療を¥10,000で行っています。治療期間や費用については、初診の際にご相談ください。

費用

VHO(巻き爪治療)¥10,000(初診料込み)
※金額は税込み表記になります。